平和の経営戦略

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平和は、パチンコ販売が高収益になっており、キャッシュリッチの会社でした。平和は、PGMの借入金による買収に成功したうえに、遊技機事業が好調なため急速な経営拡大が続いています。


(1)平和の主力事業とレバレッジ

  1. パチンコ台製造
  2. パチスロ台製造
  3. ゴルフ事業をPGM買収により拡大
  4. 銀行融資活用により財務レバレッジに成功
遊技機業界は、無借金企業の多い業界であり、大手企業は数千億円の現金を保有しています。パチンコ業界は衰退市場であると言われていますが、大手パチンコメーカーは儲かってきたと言えます。

大手パチンコメーカーは、キャッシュフローが潤沢であるため、銀行借入をする必要がありません。平和の決算書は、大手遊技機メーカーの中でも有利子負債が多く、銀行借入を上手に活用しています。

平和は、遊技機業界の中でも業績を急激に拡大しており、売上高と利益が安定して拡大しています。平和の経営戦略は、パチンコ事業の余剰キャッシュを使いながら、ゴルフ事業買収による負債を活用することにより巨大化していますね。
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(2)遊技機事業は高収益

  1. 版権ビジネス
  2. ルパンが大ヒット
  3. 2016年3月期 遊技機事業売上高 1353.8億円
  4. 2016年3月期 遊技機事業営業利益 300.8億円
  5. パチンコ機とパチスロ機に人気版権を共通利用
  6. 遊技機事業の高収益を利用してPGM買収後に完全子会社化
パチンコ業界は、版権ビジネスの商売であるため、アイドルや漫画などとの提携が有名です。平和は、ルパン三世の成功により業績を拡大しており、遊技機事業は高利益率が続いています。

ルパン三世は、人気アニメとして知名度が高いだけでなく、オリジナルシナリオを追加していきやすいため人気が続いているのでしょう。人気版権を獲得すれば、パチンコ機とパチスロ機に利用することができるため、どちらにも強いメーカーは二重に儲かります。

パチンコ台回収による倒産をまとめましたが、大手パチンコメーカーは、台の下取りのような形になるため影響は最小限になりそうです。パチンコメーカーとパチンコホールは、社会的影響力がどちらの方があるのか注目していましたが、上場できることを見ても遊技機業界の方が力関係は上なのかと邪推しています。

パチンコメーカーの経営課題は、あまりにも収益力が高いため、手元現金をどのような新事業拡大や株主還元に使うのかです。平和は、ゴルフ場運営会社のPGMを子会社化しており、2015年に完全子会社化していますね。

(3)ゴルフ事業の拡大

  1. 外資系投資会社がゴルフ場買収
  2. PGMとして上場しているゴルフ場専業会社
  3. 2011年 銀行借入500億円を平和が調達してPGM買収
  4. 2014年 銀行借入350億円をPGMがシンジゲートローンにより調達
  5. 2015年 平和がPGMを完全子会社化
  6. 2016年3月期 ゴルフ場事業売上高 770億円
  7. 2016年3月期 ゴルフ場事業営業利益 124億円
  8. ゴルフ事業は土地や建物の固定資産投資が多くなる
  9. 平和は遊技機事業の現金があるため非常に競争力がある
外資系投資会社のローンスターは、ゴルフ場事業を倒産した会社から買い集めており、PGMとして上場しています。平和は、2011年に銀行借入を利用してPGM株を買い付けており、80%保有の筆頭株主になっています。

平和は、遊技機事業の収益性が高いだけでなく、無借金経営により財務が安定していました。平和は、500億円の銀行借入を利用して財務レバレッジを拡大させており、ゴルフ場事業の買収に成功しています。

ゴルフ場は、バブル期に大量開発してゴルフ会員権ブームになりましたが、収益性が低いためバブル崩壊により大量倒産しています。平和は、PGM買収により現金や信用を有効活用できるだけでなく、ゴルフ場事業による安定した収益事業確保に成功していますね。

(4)高収益性かつ優良資産保有の割安銘柄

  1. 現金951億円の大量保有
  2. 平和の土地建物はゴルフ場事業がほとんど
  3. 有形固定資産をPGM再上場により現金化できる
  4. 時価総額が約1200億円、営業利益300億円の超高収益企業
平和は、PGM買収による連結子会社化により、パチンコメーカーのときから決算書が大きく変化しています。平和の決算書を簡単に分析すれば、現金化できる資産が多く、高収益の優良資産を保有する会社です。

平和の固定資産は、PGMゴルフ事業の土地建物がほとんどになっているため、現金性の高い特殊な事例であると言えます。PGMを再上場したとして、アコーディアに時価総額が匹敵すると単純に仮定すれば、時価総額は1000億円になるでしょう。

平和からゴルフ事業を切り離せば、時価総額1200億円程度(2016年7月時点の時価総額2200億円-PGM再上場1000億円と仮定)に対して、営業利益が300億円になります。平和は、遊技機事業の高収益を維持しているだけでなく、豊富な現金をゴルフ場買収や改装投資により資産価値を高めているということですね。

(5)高配当と株主優待による株主還元が手厚い

  1. 平和は大株主の保有比率が高い
  2. 平和は個人株主増加が経営課題になる
  3. 平和の配当利回り3.8%(1株2100円として計算)
  4. 平和の優待利回り6.7%(1株2100円として計算)
  5. 平和は配当と株主優待を維持できる良好な財務状況
遊技機業界は、オーナー経営のため大株主の持ち株率が高いため、上場を維持するために株主数が重要になります。平和は、PGM完全子会社化後もゴルフ場優待券を続けており、ゴルフファンや優待ファンから根強い人気があります。

平和は、配当利回りと優待利回りを1株2100円として計算すれば、10%を超える株主還元に積極的な会社です。自社株買いは、大株主の持ち株比率が高ければ見込みにくいため、株主に優しい会社であると言えるでしょう。

配当や株主優待は、財務が悪化していれば削減されるため、今後も株主還元を続けるのか注目です。平和は、高収益と高財務を継続しており自己資本比率も高まっているため、手厚い株主還元を続ける可能性が高いと言えそうですね。
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