(1)銀行株が株価暴落
- 日銀がマイナス金利発表
- 日銀当座預金金利の一部をマイナス金利にした
- 銀行の収益悪化懸念により銀行株が大幅に暴落している
ヨーロッパの銀行は、ECBのマイナス金利政策により株価が下落しているため、日本でも同じような形になったと言えるでしょう。銀行は、マイナス金利により融資金利が低下するため、収益環境が不利になることを懸念しています。
マイナス金利は、金利の下限がゼロまでであるという常識を打ち壊しており、銀行株に金利低下のリスクが生まれました。マイナス金利は、銀行にとって不利な政策であると言われていますが、有利な影響を受ける企業もあるということですね。
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(2)銀行借入の多い業種は有利になる
- リース
- 不動産
- 鉄道会社
- 消費者金融
銀行は、金利が低下すれば融資の獲得競争になるため、金利引き下げをしてでも借入を増やして貰おうとする戦略になります。企業は、経営状況だけでも業種によって借入依存度が違うため、業界によりマイナス金利の利益が異なります。
無借金経営は、素晴らしいという書籍が溢れていますが、株主にとって最大の利益をもたらすわけではありません。有利子負債は、株式による資金調達コストよりも金利が低いため、金利低下を利用できれば株主に大きな恩恵をもたらすことができますね。
(3)リース業界や消費者金融
- メガバンクに再編されている
- 独立系大手リース会社はオリックス
- リース会社は与信業務により収益も得ている
- 消費者金融は保証業務により経営基盤を拡大
- 銀行借入や社債による資金調達が容易になるため事業拡大できる
大手消費者金融会社は、銀行借入を元手にして貸出や保証を行っているため、マイナス金利になれば収益拡大期待が高くなります。オリックスは、リース業界1位の会社だけでなく独立系を保っており、消費者金融事業も拡大してきました。
リース会社は、大量の資産をリースすることにより収益を得ていおり、航空機や船舶など何百億円もするものもあるため資金調達がとても重要です。マイナス金利になれば、リース会社は金利負担が減るだけでなく、新規融資も申込みやすくなるため儲かりやすい業種と言えますね。
(4)不動産業界はバブルになれば儲かる
- 東京の大型不動産開発が継続
- REITの株価堅調のため不動産売却が続く
- 不動産は投資金額が大きいため巨額の金額が動く
- 銀行の審査がゆるくなっているため借りやすくなった
- 銀行からお金を借りやすいため地主がアパート建設に積極的になった
東京は、財閥系不動産会社の超高層ビル建設が続いているうえに、REIT価格もマイナス金利後に高くなっています。REITは、不動産会社が物件売却しているため、不動産開発の資金源として重要になりました。
銀行は、まとまった融資先は不動産会社しか見つけにくいため、融資競争になり審査がゆるくなっています。ローン金利の低下により、マイホームやアパート建設も好調が続いているため、マイナス金利は不動産関連銘柄の株価を押し上げる要因になりますね。
(5)鉄道会社は業績も好調
- 鉄道会社は固定資産が多い
- 鉄道会社は有利子負債が多くなりやすい
- 鉄道会社は駅周辺のビルやホテルなどを大量に所有
- JR西日本は超長期社債の償還期間40年の発行に成功した
鉄道会社の経営は、鉄道輸送による運輸収入をメインにしたものから、不動産開発や小売業などへ多様化しています。新宿駅や大阪駅などのターミナル駅は、再開発により駅ビルやホテルが建設されており、駅直結の立地を生かしたビジネスを拡大しています。
JR西日本は、期間40年の社債を低金利発行することに成功しており、マイナス金利の環境を最大限に生かしています。マイナス金利は、銀行業界に打撃を与えると言われていますが、借入の多い業界にとっては儲かりやすくなるためチャンスであると言えますね。 スポンサードリンク
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