日本郵政株値上がりと不動産

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日本郵政グループは、株価が公募価格よりも、大幅に値上がりしたことが話題になりました。日本郵政は、上場子会社2社の株式だけでなく、優良不動産の再開発が株価に影響するでしょうね。


(1)郵政3社上場と不動産投資

日本郵政は、郵政2社の親会社になっているため、かんぽ生命株ゆうちょ銀行株の90%を保有しています。日本郵政は、大量の不動産保有と日本郵便株式100%があるため、郵便局を束ねる司令塔になっていますね。

日本郵政の株式は、一等地の不動産を大量保有しているため、不動産銘柄としての特色もあります。日本郵政の駅前不動産は、東京駅や名古屋駅の一等地にあるため、中央郵便局を再開発して超高層ビルにしました。

不動産投資は、何よりも場所が重要になるため、日本郵政や鉄道会社は圧倒的に有利ということですね。日本郵政は、かんぽ生命やゆうちょ銀行の子会社株式上場に注目するだけでなく、不動産運営による多額の収益を見込めることも重要でしょう。
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(2)日本郵政グループ3社の時価総額 2015年11月5日終値

  1. 日本郵政の時価総額8兆1900億円 89%を国が保有
  2. かんぽ生命の時価総額7兆9800億円 89%を日本郵政が保有
  3. ゆうちょ銀行の時価総額2兆3300億円 89%を日本郵政が保有
  4. 日本郵政の株式保有額は9兆1700億円になるため時価総額を上回る
  5. 日本郵政の保有資産を考えれば裁定取引の起きやすい環境になっている
郵政3社のIPOは、株式市場を通じて企業価値を判断することができるため、投資家の期待を見ることができます。日本郵政グループは、2015年11月4日に上場したところのため、参考値として簡単に見てみましょう。

日本郵政は、かんぽ生命株の89%を保有しており、ゆうちょ銀行株の89%も保有していますが売却を繰り返すことにより出資比率は低下していきます。日本郵政は、子会社株式の売却により調達する資金を、政府からの自社株買いすることにより株主還元する方針ですね。

日本郵政グループは、親子上場により株価のねじれが発生しており、日本郵政の株価は割安になっていることが分かります。日本郵政は、かんぽ生命とゆうちょ銀行の保有株式よりも時価総額が安いため、郵政グループの保有資産が評価されていないということですね。

(3)郵政グループの資本関係と保有資産

  1. 親会社 日本郵政が郵政グループをコントロール
  2. 上場子会社 かんぽ生命は優良資産と販売力がある
  3. 上場子会社 ゆうちょ銀行は地銀との提携拡大を見込む
  4. 100%子会社 日本郵便は豪州のトールを買収している
  5. 日本郵政グループの優良不動産を大量に保有している
日本郵政は、郵政グループの保有資産を見てみれば、日本郵便と不動産を保有しています。日本郵便は、ゆうパックや手紙などの郵便事業を主力事業としており、将来性は低いことが指摘されていますね。

日本郵政グループは、郵政3社上場前に資本移動を行なっており、ゆうちょ銀行から日本郵便に6000億円の資本増強を行ないました。ゆうちょ銀行は、1兆3000億円の資本が減少しており、日本郵便6000億円資本増強と年金債務処理7000億円削減に使われたということです。

日本郵政は、上場子会社2社の株式よりも価値がないと判断されていますが、優良不動産を大量に保有しています。日本郵政の保有資産は、日本郵便と不動産に価値がないという市場の評価は、IPOから間もないため経済合理性が働いていないということですね。

(4)日本郵政の保有不動産 2015年3月期決算

  1. 日本郵政の土地 1兆260億円 
  2. 日本郵政の建物 1兆5133億円
  3. 日本郵便金融窓口事業の土地 6009億円 100%子会社の簿価ベース
  4. 日本郵便金融窓口事業の建物 4016億円 100%子会社の簿価ベース
  5. 日本郵便の郵便物流事業の土地 6405億円 100%子会社の簿価ベース
  6. 日本郵便の郵便物流事業の建物 4973億円 100%子会社の簿価ベース
  7. かんぽ生命はかんぽの宿を日本郵政の直営に所有権を移転している
  8. JPタワーはJR東日本と三菱地所の共同開発 東京駅の空中権を活用
  9. JPタワー名古屋も建設しており駅前一等地の不動産開発が進んでいる
  10. 元中央郵便局は博多マルイ2016年開業や大阪駅前再開発開始など有効活用
日本郵政は持ち株会社のため、連結決算の保有不動産ではなく、日本郵便の不動産が重要になります。日本郵政は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式売却を進めるため、上場子会社が優良不動産を保有していれば旨みは小さくなりますね。

日本郵政の目論見書を見れば、ゆうちょ銀行の土地不動産1318億円、かんぽ生命の土地不動産1025億円しかありません。日本郵政グループの不動産は、日本郵便が大量保有しているため、不動産再開発による恩恵は日本郵政が掌握します。

東京駅前のJPタワーは、KITTEが商業施設として有名になっていますが、日本郵便が共同開発に成功しました。日本郵政は、かんぽの宿の所有権と運営権も握っており、日本有数の不動産会社としても注目を集めています。

日本郵政は、鉄道会社や電力会社のように歴史が長いため、保有不動産を簿価計上しており再開発により儲けが大きくなります。日本郵政は、駅前一等地の不動産が簿価で評価されているため、再開発後に時価に換算すれば巨額の含み益を抱えているということですね。

(5)日本郵政の資本政策

  1. 日本郵政が子会社ゆうちょ銀行から資本回収
  2. 日本郵政が子会社2社の上場により多額の資金を得る
  3. 日本郵政が郵政グループの優良不動産を大量に抱えている
  4. 日本郵政が代理店手数料を親会社としてコントロールしやすい
  5. 日本郵政が政府保有株の自社株買いにより少数株主還元が続く
  6. かんぽの宿を株主優待とすれば個人株主の長期保有も見込める
日本郵政の資本政策は、親子上場による時価総額の逆転を利用しながら、少数株主に対する還元も行なわれそうです。日本郵政は、上場子会社ゆうちょ銀行と上場子会社かんぱの売却による得た資金は、政府株買取による自社株買いに投入を発表していますね。

日本郵政は、郵政民営化法の改正により、子会社株式を売却しながらも影響力が確保されるように変更されました。郵政民営化法との違いは、ゆうちょ銀行とかんぽ生命に対して、ユニバーサルサービス維持が規定されています。

日本郵政は、上場子会社2社から代理店手数料を受取っており、上場後も子会社としてコントロールしやすいため安定した収入を得られますね。日本郵政は、かんぽの宿を株主優待として発行する期待もあるため、共立メンテナンスのようにインバウンドの人気銘柄になる期待もあるでしょう。

日本郵政グループは、150兆円超の預金による調達ができるため、超高層ビルの開発も全額自己資金で行なっています。日本郵政は、個人投資家の投資の入り口として注目されており、売出価格よりも株価が値上がりしていますね。
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