ウクライナのデフォルト破綻危機

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ウクライナのデフォルトリスクは、外貨準備高と債務残高を見れば破綻危機であることが分かります。ウクライナが改革に失敗すれば、IMFの金融支援が受けられず、混乱が拡大しそうですね。


(1)国債デフォルトと国家破綻

国家が財政不足のときに、国債の発行によって資金調達を行っています。国債は借りたお金ですので、元本返済や利子の支払いができずにデフォルトになれば、国家の信用が暴落しますので国内経済が大混乱になります。

グローバル化によって、銀行や投資家が外国国債保有や外国企業融資を行っていますので、デフォルトの影響は海外にも拡大しやすくなったと言えます。アメリカのように、世界最大の経済大国であれば、デフォルトリスクの広がりが大きくなりますので、世界経済の大混乱による不景気のリスクが高まりますね。

韓国経済が破綻したときに、日本は数十兆円の資金提供や信用供与をしていますが、IMFを通じた経済援助は国内改革を行う必要があります。デフォルトリスクがあれば、国債の金利は大きく高まりますが、一時的なものであれば危機後に国債は値上がりするため、多額を儲ける投資家もいるようですね。
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(2)ウクライナの経済統計

  1. ウクライナの人口 2010年4596万人
  2. ウクライナのGDP 2012年1760億ドル
  3. ウクライナのGDP規模 日本の約34分の1
  4. ウクライナのGDP比較 ニュージーランドやベトナムと同規模
  5. ウクライナのGDPの実質経済成長率 2014年-3%が政府予想
ウクライナのデフォルト破綻危機について、2014年4月13日の日経新聞を見てみましょう。ウクライナの経済規模は、GDPを見るとニュージーランドやベトナムと同規模であり、日本の四国と変わらない経済力であると言えますね。

ウクライナは政治の混乱が続いており、先行きが不透明な情勢が続いています。ウクライナは、ロシアへのガス料金が未払いであるだけでなく、対外債務が多いため、政治混乱の動向に注目が集まっています。

ウクライナ政府によれば、2014年の実質経済成長率は-3%とになるとした予想を発表しています。ウクライナ政府は、ウクライナ東部の混乱が続けば、経済成長率の一層の低下リスクも想定しているようですね。

(3)ウクライナ経済の特徴

  1. ウクライナの工業 GDPの3割
  2. ウクライナの工業地帯 ドネツクなどの東部に集中
  3. ウクライナの工業製品 ロシアに最先端の部品などを輸出
  4. ウクライナの工業製品 ロシアに軍需産業や航空宇宙産業が輸出
  5. ウクライナ東部の動向 親ロシア派勢力との緊張関係で生産が大幅減少
  6. ウクライナとロシアの貿易動向 ロシア向けの輸出は混乱により急減している
ウクライナは、穀物資源や天然資源が豊富にあるため、ソ連の中でも農業国と工業国の両面で発展してきました。ウクライナの工業は、昔から東部のドネツ地方は鉄鉱石や石炭が豊富に産出されるため、ドネツクなどの東部は工業が発展した地域でした。

ロシアは、軍需産業や航空宇宙産業の競争力は高いですが、ウクライナはハイテク製品に搭載するエンジンなどを輸出しています。ウクライナの工業力は、高い信頼性が求められるハイテク製品向けのエンジンを輸出していることから、工業力が高いと言えますね。

ギリシャ危機2015年の破綻理由をまとめましたが、ウクライナはギリシャよりも産業が集積しており、防衛産業を中心に高い技術力があります。ウクライナの問題は、製造した製品は、ロシアからの技術支援や資本を受け入れてきたことですね。

ウクライナの防衛産業は、ウクライナとロシアの関係悪化によって、輸出が急速に減少しており景気悪化の要因となっています。ロシアだけでなく、軍需産業や航空輸出産業は軍事機密の塊ですので、ウクライナ東部の動向にロシアが神経質になる要因の一つであると言えますね。

(4)ウクライナの対外債務と外貨準備高 IFMなどの金融支援

  1. ウクライナの対外債務 2013年末時点1400億ドル
  2. ウクライナの外貨準備高 2014年3月1日時点 150億ドル
  3. ウクライナの外貨準備高の動向 景気悪化により減少傾向
  4. ウクライナの対外債務支払 2014年6月 10億ドルが償還期限
  5. ウクライナの対外債務支払 2014年の返済額 130億ドルが償還期限
  6. ウクライナに対する金融支援 2014年3月に決定 2年間で約270億ドル
ウクライナの対外債務と外貨準備高を見れば、ウクライナのデフォルトリスクは高まっていたことが分かりますね。ウクライナは、ロシアとの関係悪化で輸出が減少しているうえに、ロシア産ガスの値引きがなくなりますので、外貨準備高は一層不足しやすいです。

日本国債の保有者比較 口コミ破綻をまとめましたが、ウクライナと日本を比較すれば、日本国債の保有者は国内投資家が多いです。ウクライナと日本の外貨準備高を比較すれば、日本が外貨準備1兆ドル超で債権国であるのに対して、ウクライナの外貨準備は対外債務に対して不足していることが分かりますね。

ウクライナは外貨準備高が減少傾向の中で、対外債務の支払いが続いており、資金繰り破綻のリスクがあると分かりますね。ウクライナは、IMFや日米欧の金融支援によって破綻を回避したように報道されていますが、IMFの融資条件を遵守できなければ、金融支援の合意は破綻する可能性があります。

(5)IMFのウクライナ融資条件と改革内容

  1. ウクライナ政府が補助金削減 企業の補助金削減
  2. ウクライナ政府の税金引上げ たばこ税と酒税の値上げ
  3. ウクライナ政府が補助金削減 社会保障給付やエネルギー補助金など約43億ドル分
ウクライナの金融支援は、IMFが改革の条件を提示しており、改革に失敗すれば金融支援は凍結される可能性があります。ウクライナ人は、補助金削減と税率引上げにり生活が厳しくなりますので、ウクライナ新政権の支持率低下によって、政情不安が悪化するリスクが高いですね。

ウクライナ新政権が、支持率低下を恐れて改革を実行しなければ、金融支援の凍結によりウクライナのデフォルト確率が高まることになります。ウクライナに対する金融支援は、現状維持のための資金ですが、ロシアからのガス料金の動向によっては資金繰り破綻するこになりますね。

ロシア破綻の理由をまとめましたが、旧ソ連はデフォルト懸念が高まっており、世界経済に大きな影響を与えています。ロシアへは、欧米の経済制裁によって打撃を受けているため、ウクライナとの外交関係の動向に影響を与えていますね。

ロシアは未払いのガス料金、値引き分のガス料金など160億ドルを求めており、ウクライナの外貨準備高は底をつく金額になります。ウクライナのガス代金は、ロシアが前払いを求める可能性が指摘されており、ウクライナのデフォルトリスクは注目されている理由が分かりますね。
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