雪国まいたけ粉飾決算 不適切会計で倒産危機

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雪国まいたけ粉飾決算が、不適切会計として報道されています。雪国まいたけの決算書を見ると、経営悪化で倒産危機となっていましたが、粉飾決算発覚により新規銀行融資も困難にるでしょうね。


(1)粉飾決算と倒産

半沢直樹が話題になりましたが、半沢直樹の担当先は粉飾決算による不正融資や計画倒産など、会計不祥事が取引先で発生していました。銀行員を描いたドラマとして話題になりましたが、半沢直樹で粉飾決算について取り上げられた内容について見てみましょう。
  1. 西大阪スチール 粉飾決算による不正融資と計画倒産
  2. 伊勢島ホテル 投資失敗を簿外債務にして粉飾決算
企業が粉飾決算を行えば、黒字決算や資産超過の会社に仮装できますが、半沢直樹ドラマが人気であったのは現実味があったからでしょうね。上場企業や大企業であっても、ガバナンスや資金繰りの問題から粉飾決算が発生することがあります。銀行融資は粉飾決算発覚で厳格になりますので、手元現金に余裕がなければ、会計不祥事で倒産することもあります。
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(2)雪国まいたけの不適切会計

  1. 2013年6月 取締役が雪国まいたけの不適切会計を指摘
  2. 2013年8月 証券取引等監視委員会が雪国まいたけに立ち入り調査
  3. 2013年11月5日 平喜信社長 雪国まいたけ社長が辞任を申し出る
  4. 2013年11月14日 平成25年9月中間連結決算開示日 この日までに修正方針
  5. 雪国まいたけ連結財務諸表 累計13億8400万円の影響
  6. 全額違法配当の可能性 2012年3月期の雪国まいたけ配当
雪国まいため粉飾決算、不適切会計と債務超過について、2013年11月6日の日経新聞が報じているので見てみましょう。雪国まいたけが粉飾決算を発表していますが、不適切会計の内容を見ると違法配当の可能性が高いですね。雪国まいたけ社長が、粉飾決算の責任をとって辞任していますが、上場企業の社長として会計不祥事の責任をとった形になっています。

リソー教育の粉飾決算 債務超過で上場廃止かまとめましたが、債務超過や違法配当の問題が発生していますね。雪国まいたけやリソー教育のように、上場企業が粉飾決算を行っていれば、投資化や株式市場に対して悪影響が大きいと言えます。

雪国まいたけは経営悪化と株価下落により、取締役に対する株主代表訴訟が発生する可能性が高いので、社長や役員への責任追及が続きそうですね。雪国まいたけが行った粉飾決算の方法を見ると、資産の過大計上と費用の繰り延べを行っていたことが分かります。

(3)雪国まいたけ粉飾決算の方法

  1. 資産 滋賀県内で取得した土地の資産計上の方法
  2. 資産 不動産の減損処理
  3. 費用 2012年3月末までの広告宣伝費を2012年3月期から2014年3月期に計上
  4. 2009年3月期から2013年6月四半期決算の決算を訂正
雪国まいたけが発表した粉飾決算の方法を見ると、不動産と広告宣伝費で不適切会計が発生していますね。雪国まいたけは業績が大きく悪化すると同時に、有利子負債の増加と赤字決算が継続しています。

融資返済と林原倒産 銀行と弁護士でまとめましたが、粉飾決算が発覚すると不良債権先に格下げされることがあります。雪国まいたけは赤字決算で手元資金が厳しくなっていましたが、粉飾決算発覚でスポンサーを探さなければ資金繰り倒産の可能性もありそうですね。

(4)雪国まいたけ赤字決算と債務超過の可能性

2012年3月期 雪国まいたけ決算

  1. 売上高 26,042百万円
  2. 営業損失 2,407百万円
  3. 経常損失 3,247百万円
  4. 当期損失 2,171百万円
  5. 自己資本 4,104百万円
  6. 有利子負債 27,782百万円
  7. 自己資本比率 10.1%

2013年3月期 雪国まいたけ決算

  1. 売上高 26,509百万円
  2. 営業損失 471百万円
  3. 経常損失 1,384百万円
  4. 当期損失 2,171百万円
  5. 自己資本 2,186百万円
  6. 有利子負債 29,208百万円 有利子負債が大きく増加
  7. 自己資本比率 5.5%

2014年第一四半期 雪国まいたけ決算

  1. 売上高 5,472百万円
  2. 営業損失 808百万円
  3. 経常損失 955百万円
  4. 四半期純損失 614百万円
  5. 純資産 1,737百万円
  6. 有利子負債 短期借入金 14,418百万円
  7. 有利子負債 長期借入金 13,664百万円
  8. 有利子負債 社債1,828百万円 おそらく銀行引き受けの私募債
雪国まいたけが粉飾決算を行った理由を見ると、業績が急速に悪化していることが理由ですね。雪国まいたけは、2011年3月期決算は黒字決算でしたが業績が急速に悪化しており、2期連続で大幅な赤字となっています。

雪国まいたけの2014年第一四半期決算も赤字決算となっており、2014年3月期決算も赤字決算の可能性が高く、3期連続赤字で上場廃止や倒産の可能性があることが分かります。

(5)銀行カードローンなど個人融資を重視の理由

カードローンが家計の資金繰りで重要になる場面について説明しましたが、企業会計でも同様に運転資金を融資で調達できなければ、不渡りで資金繰り倒産することになります。雪国まいたけのように、上場企業で粉飾決算があると多額の不良債権が発生しますので、銀行がカードローンなどを重視している理由が分かりますね。

雪国まいたけは粉飾決算の発覚により新規融資が困難になりますが、多額の借入金や社債を返済する必要があり、社債は返済できなければ原則リスケはないのでデフォルトで倒産することになります。

(6)雪国まいたけ大株主と再建の可能性

  1. 有限会社大平商事 32.25% 所有株式数の割合
  2. 大平喜信 20.03% 所有株式数の割合
  3. 大和ハウス工業 4.61% 所有株式数の割合
  4. 若井猛 2.52% 所有株式数の割合
  5. 大平正夫 2.31% 所有株式数の割合
  6. 大平洋一 1.80% 所有株式数の割合
  7. 大平秀子 1.23% 所有株式数の割合
  8. 大平安夫 0.90% 所有株式数の割合
  9. 株式会社新村 0.84% 所有株式数の割合
  10. 大平ヨシトミ 0.74% 所有株式数の割合
雪国まいたけは粉飾決算により違法配当を行った可能性を発表していますが、配当先を見ると、創業者一族に対して過半数を配当しているようですね。雪国まいたけの社長は不適切会計で辞任を発表していますが、会社の経営状況を考えると粉飾決算で資金繰り倒産の可能性があります。

コーナン社長女性取締役 責任破綻とリベートの不祥事を見ると、オーナー企業の場合、大株主の社長に不適切会計の可能性があるとチェック機能が働いていないですね。雪国まいたけは粉飾決算で社長が辞任を発表していますが、コーナン社長が辞任をするのか注目が集まっています。

(7)雪国まいたけ再建 買収や経営支援の可能性

雪国まいたけは市場シェアが高く、まいたけ・エリンギ・ぶなしめじ、3種類のきのこを主力商品としており、ホクトと業界の2強となっています。雪国まいたけは、もやし・カット野菜事業の売上が急速に増加していることも考えると、ホクトだけでなく大手スーパーなどが経営支援に乗り出す可能性もあるのか気になりますね。

雪国まいたけが経営再建を行うためには、スポンサーが必要になると思いますが、経営責任の明確化と倒産回避のために、株式譲渡も一つの経営戦略として視野に入っていると言えそうです。雪国まいたけ粉飾決算と業績悪化で、上場廃止の可能性もありますが、大株主の大和ハウス工業が何らかの経営支援を行うのかも注目ですね。
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