エスエス不動産 倒産破産の理由

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エスエス不動産が倒産していますが、マンション開発会社の典型的な破産ですね。マンションは販売金額が数千万円ですので販売不調になると、資金繰りが悪化して不動産会社は倒産することになります。


(1)不動産会社の倒産と不動産担保融資

不動産会社は、マンションの完成物件や保有する不動産により、不動産担保融資で積極的に銀行融資を受けてきました。銀行融資は担保があれば積極的ですので、不動産会社はマンション開発や宅地開発を積極的に行ってきました。

マイホームを購入するときに、一戸建てやマンションの広さを重視しすぎて、不動産の立地を考えない人もいるでしょう。不動産販売は、不動産会社が経営悪化により投売りすれば、初期の購入者は高値掴みをしてしまうケースもあります。

不動産担保融資と融資返済の繰り返しにより、不動産会社が急速に成長することはありますが、資金繰りが悪化すると、アーバンのように急成長後の突発破綻はよくある話ですね。不動産担保ローン審査の通りやすい理由は、無担保ローンと違って融資担保があるからですが、多額の融資を得られることに特徴があります。
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(2)神戸市などでマンションを販売

  1. 1979年9月 エスエス不動産設立
  2. 不動産デベロッパーとしてマンション開発
  3. リブコートなどのマンションを開発
  4. 神戸市や芦屋市など阪神エリアが営業エリア
エスエス不動産は、不動産デベロッパーとしてマンション開発を行っていたようですので、エスエス不動産、倒産破産の理由について2013年11月25日の帝国データバンクを見てみましょう。マンションは個人の買い物では、人生で一番高い買い物と言われており、銀行も不動産担保がとれるため住宅ローンに積極的です。

マンションデベロッパーは、営業力があれば開発するマンションプロジェクト単位で、完成物件を不動産担保にすることで銀行から積極的な融資を受けることができます。マンション開発会社で急激に成長している会社がよくありますので、気になる方は多いと思いますが、社長の大胆な開発投資や販売動向に大きく左右されます。

(3)マンション開発会社の売上急増と不況の影響

  1. 2007年3月期売上高 77億6729万円 当期利益9億2377万円
  2. 2008年3月期売上高 21億2178万円 当期損失4億2378万円
  3. 2009年3月期売上高 約24億8500万円
  4. 2012年3月期売上高 約4億2500万円 当期損失は大幅赤字
マンション開発会社は、景気が好調でマンションの売上が好調であれば、不動産担保融資とマンション開発、マンション販売と不動産担保融資の返済を繰り返すことが急激に成長します。エスエス不動産は、リーマンショックの影響などにより業績が急速に悪化していますが、不動産関連の会社が急成長の後に、突発破綻するのはよくある話しですね。

黒川キャドセンター倒産の理由をまとめましたが、不況になれば不動産や建築業界は、経営悪化で倒産が大幅に増加します。短期的な不況は影響は小さいですが、世界規模の深刻な不景気は、有名設計事務所も倒産させていることからも影響の大きさが分かりやすいでしょう。

リーマンショックは世界的に景気が悪化しましたので、融資返済の不能による不良債権の増加や突発破綻の増加で影響が非常に大きかったですね。マンション開発会社は、プロジェクト単位の不動産担保ローンですので、マンション販売が遅れると融資返済が困難になり倒産するリスクの高い業種ですね。

(4)不動産担保ローンと販売好調で急速に業績拡大する理由

  1. マンション開発 不動産担保融資
  2. マンション販売 不動産担保融資を返済 不動産開発プロジェクトの利益
  3. マンション開発 不動産担保融資 不動産開発プロジェクトの利益
  4. マンション販売 不動産担保融資を返済 不動産開発プロジェクトの利益拡大
  5. マンション販売が好調であれば、不動産プロジェクトの繰り返しで売上高が急拡大
マンション開発会社は、プロジェクト単位の不動産担保ローンを活用して、急速に売上高や利益を拡大してますが仕組みを簡単に見てみましょう。マンション開発の利益を元手に、不動産担保ローンの活用で不動産開発を繰り返すことで、企業規模が急速に拡大しているということですね。

アルファプロパティマネージメント倒産の理由をまとめましたが、不動産業界は、販売単価が大きいことに特徴があります。売上高が、急速に成長して拡大することもありますが、キャッシュフローが厳しくなるため資金繰りに悩むことが少なくないでしょう。

全国規模の不動産開発会社の場合、各地域の銀行から銀行融資を受けることがよくありますので、不動産プロジェクト単位で資金調達が鮮明になります。マンション開発会社が、企業規模の拡大により取引銀行数を拡大することがよくありますが、経営危機になると債権者との交渉がまとまらず倒産することもあります。

(5)不動産融資の返済延滞と不動産物件売却で現金化

  1. 2009年3月完成 神戸市垂水区にに大型物件が完成 
  2. 2009年3月完成 大型物件のリブコート・オリジン 竣工時に3割程度の販売
  3. 神戸市長田区 不動産物件の販売失敗
  4. 芦屋市 不動産物件の販売失敗
  5. 2009年8月末 銀行に返済遅延が発生
  6. 2009年10月フラターナルにリブコートオリジン事業譲渡など開発物件を他社へ売却
  7. 2012年2月完成 神戸市垂水区の物件を大手ゼネコンに一括販売
  8. 2012年3月期末 負債総額 約35億4200万円
エスエス不動産は、マンション販売の不調により資金繰りが急速に悪化しています。マンションは、1件当たりの販売金額が数千万円になりますので、完成後に販売失敗すると資金繰り倒産の危機になります。

エンタープライズ自由ケ丘倒産の理由をまとめましたが、不動産開発に失敗する前に、資金繰りが悪化することはよくある話でしょう。エスエス不動産やエンタープライズ自由ヶ丘の事例を見れば、大手不動産会社から購入しないのであれば、不動産会社の財務や風評を確認することが重要になります。

エスエス不動産が不動産の大型物件販売失敗により、急速に資金繰りが悪化しており、銀行融資返済に延滞が発生しています。エスエス不動産は資金繰り悪化で、不動産開発物件の売却により現金化を進めていますが、その理由について簡単に見てみましょう。

(6)マンション販売失敗による資金繰り悪化で倒産

  1. リブコート・オリジン完成戸数 約300戸と仮定
  2. リブコート・オリジン平均販売価格 約2500万円と仮定
  3. リブコート・オリジンの竣工時販売戸数を約3割
  4. マンション竣工時に販売数量の割合が増えれば資金繰りが楽になる
  5. マンション販売時に100%販売できるわけではない
エスエス不動産のリブコート・オリジン完成戸数をと平均販売価格を、仮定して簡単に計算してみましょう。エスエス不動産が竣工時に約7割が販売できていませんの、マンション平均販売価格を3000万円と仮定すると52億5000万円の資金繰り悪化要因になります。

エスエス不動産の2008年3月期売上高が約20億円ですので、マンション販売の遅れが倒産の要因になっていることが分かります。大手財閥系不動産会社や大手鉄道系不動産会社を除けば、不動産は金額が高いので、販売不振で銀行融資が返済できず不動産会社が倒産することはよくあると言えます。
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