(1)ゴルフ場の倒産
ゴルフ場の倒産が相次いでいますが、設立時の多額の借入金が返済困難となっていることが分かります。ゴルフ場は、ゴルフ会員権の値上がりを見込んだ売買が一時活発化していましたが、現在はバブル期と比較すると値下がりしていることが分かります。ゴルフ場の倒産後に、大手企業がスポンサーとして参入する事例がありますが、銀行融資やゴルフ会員権の債権カットが行われていることが分かりますね。
(2)利根ゴルフ倶楽部が倒産
霞南ゴルフ倶楽部、倒産の理由について、2013年7月10日の帝国データバンクが、「霞南ゴルフ倶楽部」の経営会社 倒産を報じているので見てみましょう。(株)利根ゴルフ倶楽部(TDB企業コード:986047886、資本金3200万円、中央区日本橋本町1-8-12、登記面=茨城県稲敷市伊佐部1450、代表大矢宏氏)は、7月5日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。霞南ゴルフ倶楽部の運営会社である利根ゴルフ倶楽部が倒産していますが、民事再生と異なり破産していますので見てみましょう。
(3)霞南ゴルフ倶楽部の概要
- 1973年(昭和48年)4月 東利根カントリー倶楽部の商号で設立
- 1985年7月 商号 変更
- 1988年9月 利根ゴルフ倶楽部(現・「霞南ゴルフ倶楽部」、18ホール、パー72)をオープン
- 1999年3月 別会社にゴルフ場の運営を委託
- 過去にUSLPGAトーナメントが開催
- 会員数約950名
- 平成9年3月期売上高 約7億8000万円
- 負債約187億円
霞南ゴルフ倶楽部が、倒産した理由は通常の倒産と少し異なるので見てみましょう。
(4)債権者の破産申し立てで倒産
また、預託金の償還問題に関しても償還期間の延長を行っていた。こうしたなか、債権回収の見込みが立たないことから、金融債権者が2013年4月4日に東京地裁へ破産を申し立てていた。霞南ゴルフ倶楽部は、債権者の破産申し立てにより倒産しています。債権者が債権回収の最大化を考えると、民事再生の申請によりスポンサーを探すのが合理的であると言えます。
霞南ゴルフ倶楽部は債務者として、債権者であるゴルフ会員権保有者や金融機関に対して、誠実な対応を行っていたのか気になりますね。
(5)負債は100億円超
なお、申し立てを行った債権者が有する債権は、保証債務や延滞損害金などを含め約75億円だが、当社の負債額は、このほかに預託金などが加わるためさらに膨らむもよう。霞南ゴルフ倶楽部の倒産による負債は、ゴルフ会員権を加えると約187億円と報じられており、多額の負債があることが分かります。霞南ゴルフ倶楽部を運営する利根ゴルフクラブは、平成9年3月期売上高が約7億8000万円であったようですが、競争激化により収入が低迷しており負債返済が困難となっていたようですね。
千葉国際カントリークラブ倒産の理由をまとめましたが、倒産前はゴルフ会員権の返還は困難になっており、資金繰りは厳しくなっていることが分かります。霞南ゴルフ倶楽部や千葉国際カントリークラブは、バブル前に建設されたゴルフ場ですが、ゴルフ人口の減少と負債が多いため倒産は続いていますね。
(6)ゴルフ場の運営は継続
また、ゴルフ場は、合同会社霞ヶ浦南(茨城県稲敷市)が運営しており、現在も営業を継続している。霞南ゴルフ倶楽部は、利根ゴルフ倶楽部からゴルフ場の運営が移っていますので、営業は継続しています。霞南ゴルフ倶楽部経営の利根ゴルフ倶楽部が倒産しましたが、金融機関の破産申し立て理由は気になりますね。 スポンサードリンク
0 件のコメント:
コメントを投稿