山陽板紙工業 倒産の理由

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山陽板紙工業が倒産した理由について、為替レートの円安ドル高が要因のように報じられています。山陽板紙工業は、2012年5月期決算で債務超過となっており、為替レートが変動する前に倒産寸前であったことが分かりますね。

(1)設備投資と倒産

企業が経営を拡大するために設備投資は不可欠ですが、企業規模を大きくすると急激に環境が変化したときに、操業度が大きく低下します。

設備投資を借入金に依存すると、売上高が減少しない前提で返済計画をたているはずですので、企業は経営悪化により倒産することがあります。
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(2)山陽板紙工業が民事再生法

山陽板紙工業、倒産の理由について、2013年5月15日の帝国データバンクが、円安によるコスト上昇が追い打ち、負債50億円を抱え岡山の板紙製造業者が民事再生であることを報じているので見てみましょう。
山陽板紙工業(株)(TDB企業コード:610020961、資本金1億3500万円、岡山県岡山市東区西大寺東1-2-55、代表伊原得典氏ほか1名、従業員67名)は、5月15日に岡山地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。
山陽板紙工業が民事再生法で倒産しましたが、自己破産ではないのでスポンサーがいるということですね。山陽板紙工業の強みと倒産した理由について、見てみましょう。

(3)競合が少ないことが強み

当社は、1952年(昭和27年)3月に設立された板紙メーカー。土産・贈答用品などのパッケージに使用される紙器原紙の製造を主体に事業を展開。全国的に同業者が少ない強みから大手商社が当社の総代理店となって販売を調整し、生産設備の増強にあわせて売り上げを拡大。
山陽板紙工業は、競合企業が少なかったことが企業規模を拡大することができた要因のようですね。山陽板紙工業の製品に対して、大手商社が総代理店として存在していたということは、ある程度、生産に専念することができたということでしょうね。

(4)山陽板紙工業に大手建材メーカーが出資

92年には大手建材メーカーの出資を受け、約65億円を投じて工場設備を整え、石膏ボード用原紙の製造を本格化。住宅関連需要の伸びに連動して受注を伸ばし、97年5月期には年売上高約54億5300万円を計上していた。
山陽板紙工業は、大手建材メーカーの出資により売上高を大きく超える設備投資を行っています。山陽板紙工業が設備投資に見合った売上高を増やせなければ、過剰な設備投資となり、経営は大きく傾くことになります。

経営が好調な時に、借入金に依存した設備投資を行うと、売上高が減少すれば過剰投資で倒産することになります。

(5)売上高の減少と生産コストの上昇で、債務超過

しかし、その後は建築需要の後退に加えて、紙器原紙の利用が落ち込み2012年5月期の年売上高は約32億6600万円にダウン。この間、燃料費、原材料の高騰などによる生産コストの上昇が収益を圧迫、散発的に赤字を計上して債務超過に陥っていた。
山陽板紙工業は、売上高が大きく減少しているうえに生産コストの上昇で債務超過となっています。
  • 1997年5月期 売上高 約54億5300万円
  • 2012年5月期の年売上高は約32億6600万円
  • 赤字計上による債務超過
山陽板紙工業の倒産について、帝国データバンクは円安によるコスト上昇が追い討ちとしています。管理人の私見では、山陽板紙工業は倒産前に債務超過となっているうえに、売上高が激減しているため、為替レートの円安が主因ではなさそうですね。

(6)借入金の増加と債務超過

このため、生産の合理化や製品価格の値上げなどを進めて収益改善に努めていたが、年売上高を上回る借入金が重荷となり厳しい資金繰りを余儀なくされていた。その後も業績は好転せず、近時の円安進行によるコスト上昇が追い打ちをかけ、ここにきて自主再建を断念した。
山陽板紙工業は、年間の売上高を超える設備投資を行っていますが、借入金の返済で資金繰りが困難であったようですね。山陽板紙工業は、銀行融資の格付け 不良債権と倒産(2)を考えると、破綻懸念先か実質破綻先になりますので、為替レート円安以外の要因が大きいことが分かります。

みらい倒産の理由をまとめましたが、売上高と同じ水準の借入金があれば、中小企業は倒産することはよくある話です。有名上場企業は、銀行借入や社債により多額の資金調達をしていますが、売上高を上回る有利子負債の会社は金融業以外にあまりないでしょう

(7)事業再生とスポンサー

負債は約50億円の見込み。今後は、(株)ジェイ・ウィル・パートナーズ(東京都)がスポンサーとなり事業再生を進める予定。
山陽板紙工業は、民事再生法を申請していますが、太平洋クラブ マルハン倒産とスポンサーで見たように、債権金額に応じて配当金が支払われるのでしょうね。

山陽板紙工業、倒産の理由を帝国データバンクは為替レート円安としていますが、すでに債務超過であったことを考えると過去の経営失敗が原因でしょうね。山陽板紙工業と同じ岡山県の企業である宮野 倒産理由は粉飾決算ですので、企業の支援を得られなかったのでしょうね。
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