黒字倒産の事例

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黒字倒産は、会計上の黒字と手元に現金があることは、別の話しであるため発生します。黒字倒産を資金繰り倒産と考えてみると、業種や経済動向により違いがあることが分かります。

(1)黒字倒産とは

計画倒産の仕方で、粉飾決算や新規事業、詐欺の目的で会社が使われる可能性があることを見てみました。

黒字倒産がおこるのは、黒字は帳簿上の話であり、黒字があることと手元に現金があることは、別の話であるということですね。

(2)黒字倒産と家計の事例

家計で言えば、会社の給料が月末締めで翌月の25日払いの時は、25日間の生活をするために、現金の手元保有、クレジットカードやローンを利用して乗り切ると思います。。

会社の給料振込みが、翌月の25日払いを予定していたものが、1ヶ月遅れるとその期間、生活のために余分な手元資金が必要ですが、確保できなければ家計は倒産します。

企業の場合、家計よりも少し複雑ですが、現金収入の減少や現金支払いの増加、借入が困難になると倒産する事例があります。黒字倒産について、資金繰り倒産と考えて業績がやや不明確なものもありますが、事例として紹介します。

(3)小売業が設備投資後に本業不調で倒産

小売業は、現金の受け取りが、売掛金や受取手形ではなく現金商売のため、仕入先に対する支払いが現金でなければ運転資金は、プラスになります。
  1. 売上 現金のためその場で手元に入る
  2. 仕入 買掛金や支払手形により現金でなければ遅らせることができる
  3. 運転資金が軽い 仕入で支払う資金以内で在庫資金を賄うことができていれば、運転資金は不要
設備投資を行うまでは、資金手当ての心配は業績好調であれば問題ないですが、業績が悪化すると手元資金を新たに準備しなければ返済が困難になります。

銀行から融資を受けるとしても、業績が悪化してからでは銀行審査が厳しくなっており、現金確保が困難になることが分かると思います。

(4)病院の倒産

病院は多額の設備投資が必要なため、事業拡大による借入金の返済により資金繰りが困難になり、倒産する事例があります。

病院は競争が激しい分野があり、後から開業した病院が立地のよい場所で内装や開業時間を柔軟にすることで、既存の病院の中で経営悪化する事例がありますね。

(5)学校の倒産

学校は、広い面積の不動産は保有していますが、立地場所によっては小口の売却が困難です。学校経営は、国から多額の補助金が支給されていますので、文部科学省の命令や法令に従う必要があります。

学校の中には、杜撰な経営による倒産や倒産寸前の学校を買収して、横領を行おうとしている事例がありますので、受験の際には情報収集が重要になりますね。

(6)マクロ経済の変動で倒産

リーマンショックなど、予期しないマクロ経済の大変動が起きると、為替レートや市況の変動でデリバティブ契約を行っていた場合、多額の損失が発生します。

復興需要による大規模な公共事業により、人件費や建設資材、建設車輌のリース価格が上昇すると、予定外の前払いにより資金繰りが悪化して倒産する事例があります。

倒産を防ぐために金融円滑化法が施行されましたが、金融円滑化法期限切れ倒産と住宅ローンの延滞が懸念されています。金融機関は株高により、企業体力は増していますが、黒字倒産の企業を支えることができるのかが、経済成長を左右しそうですね。
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