大王製紙 内部告発と粉飾決算

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大王製紙の内部告発で粉飾決算を行っている可能性があるようですね。大王製紙は、赤字の海外子会社に対して、連結外しを行っており粉飾決算を行っており、井川元会長の逮捕後も隠蔽体質に改善がない可能性があります。

(1)赤字の海外子会社を連結外し

大王製紙、内部告発と粉飾決算について、2013年3月22日の週刊ダイヤモンドが報じているので見てみましょう。
製紙業界3位、売上高4090億円を誇る大王製紙が暴走を始めている。本誌編集部の手元にある大王製紙の内部資料。そこには、創業まもないタイ子会社が多額の赤字に陥っているにもかかわらず、あえて連結決算に組み入れていないことがうかがえる。
大王製紙は、井川意高前会長の巨額借り入れ事件の不祥事が発生しましたが、2013年3月期から監査法人をトーマツからあらたに変更する方針です。公認会計士 粉飾決算プロデュースで実刑の理由を見ると、上場企業に対して杜撰な監査が行われたことが分かりましたが、4大監査法人はグループ会社の監査を行えていなかったようですね。

監査法人の監査は信頼性が怪しいですが、4大監査法人が粉飾決算を見破れなくても倒産しないのは、人手不足により監査制度の崩壊するからという理由でしょうね。
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(2)大王製紙グループ85%出資の子会社

会社の名は、エリエールインターナショナルタイランド(EIT)。2011年に設立され、今では大王製紙グループが85%を出資する。「GOO.N(グ~ン)」ブランドの紙おむつを製造・販売しており、近隣国に輸出もするアセアンの中核子会社で、12年2月に販売を開始した。
大王製紙グループが85%を出資しているということは、会社に対する支配権を確立しており、連結子会社であると言えます。大王製紙のグループ会社には、創業家の井川家が支配権を保有する会社がありますが、保有する株式を買い取る交渉を行っています。

(3)大王製紙と井川家の子会社株式保有

大王製紙は、創業者である井川家が主要グループ企業の支配権を握っていたため、85%出資のうち何%が大王製紙保有分かは気になります。ただし、大王製紙が井川家との決別を宣言している以上、将来的には井川家が保有する株式を確保することは想定できるのではないでしょうか。

上場企業であっても、創業家が支配権を持つ非上場企業との取引を行い利益を確保することがありますが、大王製紙はその事例ですね。

(4)大王製紙海外子会社は大赤字

内部資料によると、昨年9月20日時点でのEITの12年12月期は、スタートしたばかりということもあり、売上高16億5227万円、経常損益は11億5549万円の赤字を見込んでいる。10月下旬時点の資料でもほぼ同額だ。
大王製紙の海外子会社は、大王製紙の最終損益に注目すると、大きな赤字であることが分かります。粉飾決算の見分け方で少し触れましたが、大王製紙が3月期であるのに対して、この子会社は12月決算であり注意する点ですね。

(5)決算見通しに子会社損失を反映せず

一方、大王製紙の13年3月期は、昨年11月13日時点で、経常利益80億円、当期利益195億円を見込んでいたが、今年2月12日に経常利益70億円、当期利益130億円に下方修正していた。この決算見通しも、第3四半期決算も、EITの赤字を反映させていない。利益の実質的なかさ上げだ。
大王製紙の経常利益予想を見ると、連結外しを行っている海外子会社の赤字は大きいことが分かります。
  1. 2013年3月期予想 経常利益80億円、当期利益195億円
  2. 2013年3月期予想下方修正 経常利益70億円、当期利益130億円
  3. 2012年12月期 大王製紙の海外子会社 経常赤字11億5549万円
  4. 海外子会社は大王製紙企業グループで85%の株式保有となっていますが、大王製紙企業グループの株式各持分が不明のため全額が連結決算に反映されない可能性あり
大王製紙が連結外しの粉飾決算を行っている可能性があるようですが、さらに業績下方修正の可能性があることが分かりますね。

(6)連結から除外できない重要性の高い子会社

ある監査法人の幹部は、「これだけ大きな赤字を見込んでいるタイ子会社を連結からはずすことはできないだろう」と指摘する。
日本公認会計士協会の指針では、連結から除外できる重要性の乏しい子会社の要件を明らかにしているが、そのいずれにも当たらない可能性が高いという。
ニイウスコー粉飾決算と倒産 監査法人の問題点でまとめましたが、監査法人は都合のいい解釈をするので、個々人が一般投資家の感覚で見ればよいと思います。

管理人は、大王製紙の経常損益に10%以上の大きな影響を与えると感じており、事実上の粉飾決算だと感じていますが、監査法人の解釈に注目ですね。大王製紙タイ子会社 粉飾決算の方法に続く。
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