(1)大王製紙の粉飾決算とインサイダー取引
大王製紙は、海外子会社の連結外しによる粉飾決算とインサイダー取引が指摘されています。大王製紙の経営陣は、創業家の不正融資事件により、創業家以外から選出されていますが、隠蔽体質が以前よりも増しているのかもしれないですね。大王製紙は、創業家がグループ会社の株式保有や役員就任により影響力を行使してきましたが、脱税を指摘されているようですね。
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(2)上場企業の創業家と子会社を用いた中抜き
企業が上場する際に、創業家は一定数の株式を手放したり、株数の増加により影響力が弱まります。上場後、さらに時間が経てば増資や創業家の引退により、創業家は利益を得にくくなります。- 上場による創業家の株式割合が減少
- 増資により創業家の株式割合が減少
- 創業家の引退により影響力が減少
- 業績悪化による持ち株への配当減少
創業家が上場後も利益を確保する方法として、企業取引の間に商社のようにして、創業家の企業を何の価値も生み出さずにお金吸い上げる方法があります。
(3)大王製紙子会社の税務調査
今年1月、高松国税局は大王製紙グループの税務調査に入った。少なくとも10社弱のグループ会社を対象にした大がかりなもので、「子会社である東京紙パルプインターナショナル(TPI)との取引をしつこく調査した」(大王製紙関係者)という。大王製紙の脱税について、週刊ダイヤモンド2013年4月20日号が報じているので見てみましょう。上場企業の創業家が、商社のような会社を設立して、お金を中抜きすることについて説明しましたが、その事例ですね。
(4)大王製紙の親子取引と株主の損失
問題視されたのは、TPIがグループ会社から過剰な利益を得ているのではないかという点だった。TPIはグループ内の取引を中心とした、原材料、紙製品の商社であり、取引に伴う口銭が異常に高く設定されていたという。大王製紙の創業家は、お金を稼ぐために、商社を用いて中抜きしていますが、株主のものであるはずの利益が吸い上げられていることが分かりますね。
(5)大王製紙グループの商流とお金の吸い上げ
例えば、大王製紙の工場で製造されたパルプ(紙の中間原料)をTPIが購入し、持ち分法適用関連会社の大宮製紙などに販売する取引。TPIは帳簿上、間に入っているにすぎないにもかかわらず、1キログラム当たり市価55円程度の針葉樹パルプを、「大宮製紙、大成製紙は10~15円も高く買わされていた」(同)という。大王製紙グループの商流と、創業家が支配する子会社への利益プールについて見てみましょう。
- 大王製紙
- 大王製紙子会社 東京紙パルプインターナショナル(TPI)が中抜き 創業家の井川家が支配して市況より高価格で販売
- 大王製紙持ち分法適用関連会社 大宮製紙など
(6)脱税と贈与税
高松国税局はこうした取引が大王製紙からTPIへの贈与に当たるとして、当初は脱税容疑も視野に入れていたが、最終的には過去3年分の贈与税を追徴課税する方針だ。課税額は十数億円の巨額に上るとみられる。国税局は、大王製紙グループの脱税に対して、過去3年分の贈与税を追徴課税するとしていますが、管理人は違和感を感じます。
脱税であれば時効は5年、悪質な脱税であれば時効は7年ですが、国税局は贈与税3年分の追徴課税にとどめる方針のようですね。大王製紙グループは、上場企業ですが株主が得られるはずの利益を創業家が支配する非上場の子会社に移転しており、現経営陣は返還請求をするのでしょうか。大王製紙 脱税と井川家に続く。 スポンサードリンク
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