オリンパス粉飾決算と飛ばし FBI逮捕報道のまとめ

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オリンパス粉飾決算と飛ばしで、FBIが関係者を逮捕したと報道されている。逮捕されたチャン氏が関与した粉飾決算の内容についてまとめたものを紹介。


(1)オリンパスの粉飾決算と金融商品

オリンパス事件として有名となったM&Aを舞台にしたものである。オリンパス事件で有名となったのは、上記のように、ジャイラス社などの買収に関わる話だ。

今回、チャン氏が関わったとされる、粉飾決算は、金融商品に関わるものと報道されており、オリンパス事件として有名なものと少し異なる。
参考になるのは、上記の図だ。オリンパス粉飾決算事件は、役員関与の元で行われてきたことが分かる。チェックするはずの、監査役も関与している点で、チェック機能が完全に失われていたのも特徴だ。では、報道を見て見よう。
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(2)アメリカでFBIが逮捕

オリンパス粉飾決算と飛ばし FBI逮捕報道のまとめについて、2012年12月21日10時50分  読売新聞が、オリンパス事件、FBIが元金融機関幹部を逮捕を報じています。
【ニューヨーク=越前谷知子】オリンパスの粉飾決算事件に絡み、米連邦捜査局(FBI)は20日、元金融機関幹部で台湾出身のチャン・ミン・フォン容疑者(50)を、オリンパスが投資家らに損失を隠し、有価証券報告書に虚偽の記載をした計画に関与した疑いで逮捕したと発表した。(読売新聞)
オリンパス事件の後に、ソニーから出資を得て提携する道を選択、ソニーとオリンパスは提携事業を行うなど関係を深めているのが、オリンパス事件後の状況ですね。日本では、既に何事もなかったかのように報じられていないですが、アメリカではオリンパス事件に関与した人物が逮捕されているようですね。

(3)粉飾決算への関与を認める

FBIによると、チャン容疑者は容疑を認めているという。
報道によると、粉飾決算への関与を認めたようだ。この件に関して、粉飾決算に関与したオリンパスの役員や、オリンパスとソニーの広報から何らかの声明がでるのかどうか注目でしょう。オリンパス脱税の理由で指摘されている追徴課税は、オリンパス事件によるものとは別のもので、武田薬品工業やデンソーなどの東証一部上場企業で、多額の還付金を受け取った事例もありますので今後の動向に注目ですね。

(4)チャン氏は、オリンパスの飛ばしに関与

元オリンパス担当

FBIの発表によると、チャン容疑者は、1995年から2004年まで二つの金融機関に在籍しオリンパスを担当していた。少なくとも04年から10年まで、オリンパスの損失隠しに関与した疑いがもたれている。(読売新聞)
チャン氏の経歴の報道について見たときに、気になる点があります。それは、損失隠しに関与する以前に、金融機関でオリンパスの担当が長かったことですね。管理人の推測ですが、この期間にオリンパスの財務や人的なコネクションを形成していたのは十分に考えられる話ですね。

チャン氏の役職について、ブルームバーグはオリンパスの損失隠し関与で逮捕の元バンカーは、元バイスプレジデントであったと報じていますので簡単に見てみましょう。
検察当局によると、金融機関の元バイスプレジデントだったチャン容疑者は、2004年から10年までの間にこの不正に関与。
チャン氏は、金融機関のそれなりの地位についていますので、オリンパスの内情に平社員よりもかなりくわしかったのではないかと想像しています。

(5)オリンパス管理下の投資法人で飛ばしに関与

具体的には、オリンパスが投資した金融商品を扱うファンドを管理し、オリンパス幹部の指示で、同社管理下の投資法人にこれらの金融商品を移しかえるなどいわゆる「飛ばし」にかかわった。チャン容疑者はオリンパスから1000万ドル(約8億4000万円)以上の報酬を受け取っていたという。(読売新聞)
ポイントについて整理しよう。どうやら、チャン氏は、二つの金融機関でオリンパス担当を勤めた後に、オリンパス管理下の投資法人の飛ばしに関わったようですね。

飛ばしとは、帳簿外に債務を隠して、損失の表面化を防ぐ手法のことです。バブル崩壊後、日本の金融機関が、子会社に不良債権を隠して損失を隠していたことが問題になりました。上場企業の場合、財務状況の実態が分からないと、株主や銀行など利害関係者が大きな損失を被る事に繋がる可能性があります。

(6)チャン氏関与の投資法人とスキーム

ブルームバーグは、オリンパスの損失隠しに関与のバンカーが関わった、投資法人の名前と金融商品について詳細を報道しているので内容について見てみましょう。
  1. オリンパスが投資した金融商品(国債など)を扱うファンド(SGボンド・プラス・ファンド)
  2. オリンパス管理下の投資法人(イースターサイド・インベストメンツ)に上記を移動
  3. イースターサイドは証券を現金化し、ローンの返済
  4. オリンパスはチャン氏に、1000万ドルの報酬を支払い、飛ばしを実行
ポイントは、証券を別の投資法人に移し、現金化、ローンを返済している点ですね。表面上は金融商品を売却して、現金を手に入れた形になっていますが、現金の最終的な出し手はオリンパスであるということなのでしょうね。

オリンパスの資金の流れ

  1. ローンで金融商品を購入
  2. 簿外で、金融商品を売却
  3. 帳簿上は金融商品が残る形に
管理人の推測ですが、このイースターサイド・インベストメンツで、証券を現金化しており、簿外に損失が飛ばされたか、監査法人が把握し切れていなかったと考えています。オリンパス事件 粉飾決算の報酬は、規模の大きな粉飾決算であるため報酬が別の人物にも支払われており、大規模で複雑な粉飾決算であると言えますね。

インデックス監査法人と粉飾決算の違いを見ると、オリンパスの粉飾決算はケイマン諸島で投資ファンドを利用している点が大きく異なることが分かります。オリンパス粉飾決算の飛ばしと、FBI逮捕報道をまとめてみると、改めてオリンパスの不透明なお金の流れに気付かされます。東証一部上場企業と言えども、大手の監査法人の監査をすり抜けたという点で、市場に衝撃を与えた事件と言えそうですね。
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